寧音の桜並木ブログ

日々の徒然を記しています。

就活生の視点で乃木坂46の曲を再解釈してみた。

 

わたしは、高校1年生の時から乃木坂46が好きだ。

 

ひらひらした長いドレス調の衣装、

切ない心情描写と内向的な「ぼく」を表現した歌詞、

オーディションで選び抜いたスタイルも小顔さも国宝級のメンバーたち、

清楚な雰囲気も、女子校を想像させるメンバー同士の仲の良い雰囲気も好きだ。

 

選抜ではないメンバーだけでライブ公演が行えるほどのファン層の厚さもあるし、

伝説と言われる一期生在籍当時から続く歴史あるテレビ番組もあれば、

最近は公式が運営するYouTube活動も活発である。

さまざまな媒体でいろんなメンバーを知ることも、

気になるメンバーの良さを知ることも十二分にできるようになってきた。

 

人気メンバーが次々と卒業している中でもファンの心をがっつりと掴む乃木坂46

安泰とも言えるアイドルグループに去年新たなメンバーが加入した。

井上和をはじめとする5期生だ。

スタイルの良さ、超小顔であることもさることながら

歌のうまさや踊りのうまさに定評がある。

 

そんな彼女たちに秋元康さんが送った最初の歌は「絶望の一秒前」という曲だった。

 

絶望の一秒前 星は微かに光り

漆黒の闇がくるよ

 

上記は一番サビの冒頭の歌詞だ。

希望の歌というよりは目の前の絶望を歌っているようだが

いったいどういう意図だろうか。

 

 

話は変わってわたしのことだが、

現在、就活中の大学生である。

 

今日の新卒の就活事情に関して言うと、

選考の時期が早くなり、早期に内定を出す会社が増え、

就活活動期間が短くなったと言われている。

つまりそれは、過去の先輩方の就活時よりも

準備しなければいけない事、判断しなければいけない事が

短期的に多くなるということである。

一言で言うと「就活が早くなってきている」のだ。

 

本選考を経験していない私としては実感できていないところであるが、

先輩方の声や企業さんからのお声を聞く限り、

地方でも都心でも同じような状況らしく

実感もできないまま、人にそう言われるまま、

なんとなく焦る気持ちだけが残る。

 

個人的な現状としては、

いまは企業の業界や業種を絞らない方がいいとアドバイスされるが、

本選考に向けてなにを軸にすべきかを考える時期でもある。

 

さまざまな企業のホームページを閲覧し、インターンに参加して、

こういう会社は良い、こういう会社は嫌だと考えてみても

実際、選考に通るかどうかということも加味して改めて考え直す。

 

学校でのキャリアの授業でもグループワーク、

ゼミでもグループ研究、

インターンでもグループディスカッションで

他者と協力を余儀なくされる毎日で精神的に疲労もたまる。

 

といった、なかなかシビアな現実である。

 

そんな状況の中、

「絶望の一秒前」を初めて聞いて

早期選考、本選考、ひいては社会人になることを目前に控えたわたしの歌だと感じた。

 

絶望の一秒前 星は微かに光り

漆黒の闇が来るよ

Can you see that?

Darkness coming here

僕が見つけた夢は(Wow oh oh)

いっぱいの惑星の中(Wow oh oh)

紛れ込んでしまった(Wow oh oh)

(上記に記した一番サビの後半部分を少し足した歌詞である。)

 

例えば第一希望の企業に内定をもらい、

社会人として新たなスタートを始めたとしても、

自分がずっと同じ企業に働き続けている未来も見えない。

 

なにもかも物価高で、四年間一人暮らししていた家を離れて、

生活費を浮かすために実家暮らしをするのが妥当だとされる世の中。

いまの暮らしが一番暮らしやすいのに、

車がなくては不便な田舎暮らしを強いられる。

 

いざ社会人になって経済的に自立できるかと思えば

年金がもらえるかもわからず、車の維持費もきついのだろう。

 

少しでも足しになればと副業をやってみるものの

それはプライベートの時間が削れることと同義でもある。

 

人手不足を補うために中小企業は能力、技能がある若手を欲しがるが

新卒にそんな力があるわけもなく、人手を補うほどの労力や体力が自分にあるとも

思えず。

今までのアルバイト経験からすると、ちゃんと教育してもらえるのかすらも

不安である。

 

そんな未来への不安を絶望と表現するなら

「絶望の一秒前」という曲は

とても共感ができ、いまの心情にリンクするのだ。

 

 

さて、乃木坂46の5期生の話に戻ると

いまやオーディション番組でファンを獲得したアイドルグループが

どんどんデビューし、他の坂道グループのメンバーも増え、

有名人がプロデュースするアイドルも登場し、

アイドルの戦国時代とも言える。

 

そんな状況下で乃木坂46の5期生としてデビューした彼女たちは、

わたしや、彼女たちが乃木坂を好きだったころよりもアイドルが割拠している時代に、芸能界に紛れ込んでしまった少女たちなのだ。

 

もちろん、わたしは乃木坂を箱推ししているので、

メンバーみんな大好きなのだが(強いていうなら3期推し)

こんな曲を聞いてしまったら

5期生のことを今まで以上に応援したくなってしまう。

 

持ち歌が少ない5期生は先輩たちの歌も担当することもあり、

慣れない大きな舞台に立つこともある。

ときには卒業した先輩たちと比べられることもあるだろう。

表舞台で見る彼女たちはいつも笑顔でかわいくて最強だが、

その裏の顔まで知ることはなかなかできない。

 

笑顔で、時には悔しくて泣きながらでもファンの前に立ち続ける。

そんな頑張る彼女たちのように、わたしもなれるだろうか。

 

(Wow oh)誰のせいか 責任をなすり付け合い

(Wow oh)来ることのない夜明けの空を待っても

(Wow oh)結局は君自身 どうしたいか聞こう

 

サビの最後の歌詞である。

 

わたしは、秋元さんから

目の前の現状を把握しながら、自分の気持ちにしっかりと向き合ってほしいと

言われている気がした。

 

5期生にはこれからなにを頑張っていくのか、

なにをしたいのかを問われているのではないかと解釈した。

 

少なくともわたしは、

本選考までにできる限りの準備と練習をして本番に挑み、

自分なりに納得のいく決断ができればいいなと考えている。

 

そして、社会人になるまでの時間を十分に活用して

来るべく社会に立ち向かえるような準備をしたい。

 

 

 

引用:「絶望の一秒前」

    歌詞:秋元康

    作曲:ツキダタダシ

    編曲:若田部誠